2009年08月11日

「EXPLORATIONS」 Bill Evans Trio

B.Evans_1.jpg


 エバンスは大変好きなプレーヤーの一人だ。アルバムも相当数所有しているが、彼には駄作がないと思われるほど、どれも質が高い。これまでにも何枚か彼のアルバムを紹介したが、これは特に好きな作品だ。

 かなり前のことになるが(35,6年前だったか・・)、公演で来日したことがあった。恐らく初来日だったはずだ。大ファンでもあったので、期待に胸を膨らませながら、会場に向かった。

 新宿の厚生年金ホールだったと記憶している。わが美人妻と共に出かけたが、どういう訳か、私の行く演奏会には必ずついてくる。まるで「金魚のフン」だ。どうも、自分も一緒に行かなければ損だ、と考えているフシがあるなあ(笑)。今でもそうだけど・・・。

 早く着いたので、会館内にある喫茶室でコーヒーを飲み、時間をつぶした。すると、3人の外国人が我々の隣のテーブルにやって来た。彼らは和気あいあいと、時には、笑い声を立てながら話し始めた。しかし、私の乏しい英語力ではなにを話しているのか、分らない(悲)。

 気になって、横をチラチラと見やると、なんと、エバンス様ではないか!太い黒縁メガネをかけ、顔中に汚らしい、じゃない、立派なひげを生やしていた。一緒にいた他の男性も確認すると、おーっ、ゴメス様に間違いない。ゴメスも好きなベース・プレーヤーだから、顔はよく知っている。もう一人は、ドラムということになるが、これが思い出せない。ゴメスと一緒ということは、恐らく、マーティン・モレロだとは思うが、自信がない。調べれば分ることだけど、面倒くさいから、記憶喪失ということにしておきます(笑)。

 こんなチャンスは滅多にあることではないから、何がなんでもサインを貰うべきだったのに、世界の超一流プレーヤーとなると、さすがの私も怖気づいてしまって言い出せなかったことは、今でも悔やまれる。今にして思えば、図々しい妻が横にいたのだから、彼女をけしかければ良かった(笑)。

 時間が迫り、会場に入ると驚いた。勿論、大ホールだったが、何と半分程度しか客席が埋まってなかったのだ。ガラガラの印象だった。なんだか、エバンスが気の毒になった。

 当時はジャズの人気といっても、まだまだ一部のファンのものであり、エバンスが来日してもこんな有様だった。

 ステージに現れた3人は、まさしくさきほど喫茶室で一緒だったメンバーだった。静まり返ったホールに響き渡る彼らのサウンドが素晴らしかったことは、言うまでもない。

 所で、肝心のこのアルバムのメンバーは来日メンバーとは異なる。トリオの黄金時代を築いた、ベースのスコット・ラファロ、ドラムのポール・モチアンの史上最強ともいえるメンバーだ。

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 やはり、ベースのラファロは素晴らしい。ゴメスも驚異的に上手い人だが、どうもエバンスの肌合いとは合わないような気がするのは、私だけだろうか?この辺は、好みの分れるところであろう。

 もしかするとこのアルバムは、エバンス作品の中でも、一番好きかもしれない。いつまでも、愛聴盤の一枚として聴き続けて行きたい。

 アナログLPとCD盤、両方を所持しているが、やはり、アナログ盤に軍配が上がる。

 LP盤。1961年録音。Bill Evans(P),Scott La Faro(B),Paul Motian(Ds)
posted by Boo! at 21:33| 東京 ☁| Comment(4) | JAZZはいかが? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スコット・ラファロ最高!

この盤の中ではNardisが一番好きですね。

しかし、早く亡くなってしまい残念です。
Posted by たぬき at 2009年08月11日 21:41
たぬきさん

 おや、久しぶり!
 旅行に出かけてそのまま行方不明になったかと思ってました(笑)。

 
>早く亡くなってしまい残念

 天才は早く亡くなるケースが多いような・・・。
Posted by Boo! at 2009年08月12日 00:19
>恐らく初来日だったはずだ.

Biographyによれば、1973年1月7日初来日とのことですから、滞在2週間内のライブだったと推測します。

以前にも書きましたが、私はピータソンの華麗な演奏(リズムにのったダイナミックで、分かり易い小気味の良いアドリブ)に魅了されてから、ピアノトリオの多くの演奏を聴くようになりました。エバンスを初めて聴いたときには、感情の吐露に忠実な繊細な音に心がのめりこんでしまったことを覚えています。どうしても手元に置いておきたいと思って買い込んだのが、8枚CDセットのCONSECRATIONでした。エバンス死亡直前の2週間前から1週間前までの1980年8月31日から9月7日までサンフランシスコのジャズクラブ「キーストコーナー」のライブを録音です。CD一枚が一晩の録音で8日間の8枚になっており、発売を目的としたものではなく、マニアの録音で編集は一切されていないLIVE版です。
8枚の中には、エバンス自身が好きだった曲(Tiffany, Like someone in Love, My foolish heart等10曲程)が何回か録音されていますが、感情の移入やアドリブフレーズ、テンポが異なり、エバンスの凄さがよく分かります。ベースがMarc Johnson、ドラムがJoe LaBarberaです。

Posted by きぃばつ at 2009年08月15日 15:01
きぃばつさん

>1973年1月7日初来日とのことですから

 という事は、35,6年前と符号しますね。そうか、1月の寒い頃でしたか・・・。
 厚生年金ホールだけでなく、各地で公演したようです。たしか、郵便貯金ホールでの模様がアルバムになったと思います。

>CONSECRATION

 これは私も持っております。ただし、2枚組のものです。8枚組のコンプリート盤は後から発売されたんですよね。これも買おうか、買うまいか迷ったのですが、録音が今一つでしたし、やはり、メンバーが好きになれず、見送りました。2枚組を買わなかったら、間違いなく手に入れたでしょう。

 ピーターソンとエバンスは、水と油ほどの違いがありますが、どちらも素晴らしいプレーヤーでしたね。
Posted by Boo! at 2009年08月15日 21:53
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