2009年09月25日

「Pal Joey」 Kenny Drew Trio

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 アメリカと言えば、ミュージカルの盛んな国だ。これまでにも沢山の素晴らしいミュージカルを生んできた。ポギーとベス、王様と私、マイ・フェア・レディ、42ndストリート、キャッツ、コーラスライン等々、挙げれば枚挙にいとまがない。

 この中で、キャッツとコーラスラインは、日本と米国双方の劇場で観劇できたことは幸せだ。特に、キャッツは印象深い思い出がある。

 20年近くも前に、約1ヶ月間かけてアメリカ大陸東西を横断旅行したが、その時にニューヨークで観たのだ。1週間近くのNY滞在中、夜はジャズクラブ巡りに夢中になっていたが、一度くらいはミュージカルも観ておこうと、当時、大人気だったキャッツに注目した。泊まったホテルがブロードウェイ近くだったため、街のいたるところで、キャッツの看板が目に入ったこともある。

 「前売り券を買うと安いよ」と、ホテルの従業員に教えられ、9.11テロで爆破された世界貿易センタービル内にあったチケット売り場で買い求めた。

 キャッツはすでに日本公演を観ていたのだが、アメリカで観た舞台は素晴らしく、日本とは比較にならなかった。日本公演も、アメリカの舞台に出演していたメンバーがピックアップされて来たのだが、劇場の違い、観客との一体感、音響、全体の雰囲気などがまるで異なり、やはり、本場で観るべきものだと実感した。日本の劇場がミュージカルに適した造りになっていないことは、致命的だと思う。

 唯一、残念だったことは、私の乏しい英語力ではセリフを充分に理解できなかったことだ(悲)。子供連れの家族が多かったが、時々沸き起こる子供たちの笑い声が耳に入ると、「何が可笑しかったんだ?」と、悔しい思いをした。

 舞台が終ると、出演者全員が並び、観客に向かって手招きした。「舞台に上がれ!」というのだ。勿論、子供たちは我先にと駆け上がっていたが、私もノコノコと舞台に上がった。妻には冷やかされたが・・・。こういう滅多にないチャンスは逃さない(笑)。

 私は主演していた何とか言う(もう忘れた)女優に近づき、「素晴らしかったです」と拙い英語で気持ちを伝えると、しっかり握手しながら、頬に軽くキッスをしてくれた。もう一生顔を洗うまいと感激したのに、ホテルに戻るとすっかり忘れてしまい、シャワーで洗い流してしまった(笑)。日本ではこのようなサービスはしてくれなかった。

 さて肝心の紹介CDだが、ロジャース&ハートによる「Pal Joey」というミュージカルを題材にしたアルバムだ。当時まだ若く、売出し中のK.ドリューによる演奏だ。「Pal Joey」というミュージカルは知らなくても、この中で使われた曲の多くがジャズ・ミュージシャンによって演奏されている。それほど素晴らしい曲ばかりなのだ。

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 例えば、「Bewitched」「I could write a book]「My funny valentine」「The lady is a tramp」などは特に有名だし、皆さんもご存知のことと思う。

 K.ドリューの溌剌とした若い演奏は聴きごたえがある。所々で、B.パウエルの影響を感じさせられる。

CD盤。1957録音。Kenny Drew(P),Wilbur Ware(B),Philly Joe Jones(Ds)
posted by Boo! at 22:12| 東京 ☀| Comment(4) | JAZZはいかが? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
またまた久しぶりにうれしいミュージシャンの登場ですね。

「Kenny Drew Trio」という盤での<Here's that rainy day」が好きでi Podでよく聴いています。

ベースのWilbur Wareもいいですねえ・・。
Posted by たぬき at 2009年09月25日 23:03
ミュージカルを知らないとJAZZは語れないと云うことを聞いたことがあります。BOOさんが本場NYのBWでその基を築いていたとは!!

ケニードリューは、ピーターソンとは違った聴き易さ、心地よい音の進行があり、真正面から真剣に対自するのではなく、イージーリスニング的に聴けるのが好きです。Afternoon in Europe, Trippin, Swinging Love などニールス・ペデルセンとエド・シグベンとのトリオを良く聴いていました。LPも買っていたのですが、CDが出てからはLPをたぬきさん渡してしまい、現在ではCDが数枚とケニードリュージュニアの有名なSicilianoやWinter flowerが手元に残っているのみです。久しぶりに夜遅く聞いてみましたが、スローバラードの玉を転がすような美しい音色に魅せられています
Posted by きぃばつ at 2009年09月25日 23:50
たぬきさん

>Here's that rainy day

 いい曲ですね。いろんなプレーヤーが演奏しています。なんと、フリージャズのアーチ・シェップも演奏していますが、知ってました?
Posted by Boo! at 2009年09月26日 20:34
きぃばつさん

>ミュージカルを知らないとJAZZは語れない

 確かにそうですね。ミュージカルと映画はジャズとは密接ですね。「こんな曲もミュージカルだったのか!」と驚くことも珍しくありません。

>玉を転がすような美しい音色

 他に、トミー・フラナガン、ウィントン・ケリー、ソニー・クラーク等にも共通する魅力ですね。和音でバリバリもいいですが、シングル・トーンで美しく弾くピアノは更に魅力です。これは、スチールギターにもいえるかもしれません。

Posted by Boo! at 2009年09月26日 20:55
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