2009年12月22日

Bill Evans with Philly Joe Jones

B.Evans_1.jpg


 これはちょっと貴重なアルバムだと思う。エバンスの名声を高めた黄金トリオ結成直前の作品だ。

 黄金トリオを結成する前、彼はマイルス・グループに所属していた。そのグループでの仲間であったベースのP.チェンバース、ドラムスのP.ジョーンズと共に吹き込んだ演奏がこのアルバムになる。1959年に録音されたのだが、どういうわけか、アルバムとして陽の目を見るのは10年後の1969年になってからなのだ。

 元々は、リバーサイド・レーベルに吹き込まれたが、1969年に倒産してしまう。録音当時のプロデューサーが、リバーサイド時代のスタープレーヤーたちの演奏を再発売するに当たって、やっとこの音源がアルバムになったらしい。発売されたからいいようなものの、永遠に埋もれてしまったかもしれないと思うと、かえってリバーサイドが倒産して良かったのかも・・・。

 エバンス・トリオというと、やはり、S.ラファロ(B)、P.モチアン(Ds)によるトリオが有名だし、余りにも素晴らしかった。3人のモダンな感覚から生まれる演奏は本当に美しく、緊張感もあった。

 それに比べてこのアルバムにおけるメンバーは、上記のメンバーとは水と油の違いがある。エバンスとは合わないのではないかと、思ってしまうほどだ。だが聴いてみると、これはこれで中々良い。

 今回、改めてじっくりと聴いてみた。トリオ結成前とはいえ、すでにエバンスらしい演奏が表れている。しかし所々で、「おや?」と感じる部分があった。それは明らかにB.パウエルの影響を感じたこと、バップ的なフレーズが垣間見えたことであった。ちょっと意外に思ったので調べてみた。やはり、最初はパウエルの研究をしたようだ。チェンバースやジョーンズを従えたことで、触発されたのかもしれない(私の勝手な推測ですが)。

B.Evans_2.jpg

 全7曲のうち、1曲のみメンバーが異なるし、録音時期も違う。ベースがR.カーターに代わり、ギターのJ.ホール、T.サックスのZ.シムズが加わるクインテットだ。

 ここでは、J.ホールのギターが素晴らしい。そういえば、この同じ頃、エバンスとデュエットで吹き込んだ「アンダーカレント」という名アルバムがあった。こちらは凄みを感じさせる演奏だった。

 また、テナーのシムズは、たぬきさんの嫌いなプレーヤーらしいが、ここでの彼は、やや押さえ気味にしたプレイに徹しており、私は嫌いではない。特別に好きでもないけど・・・。

 CD盤。
posted by Boo! at 10:05| 東京 ☀| Comment(2) | JAZZはいかが? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ズート・シムズは音色がきらいなのです。
よく覚えていましたね・・・。

エバンスはマイルスのところではあまりよくないです。

やはりスコット・ラファロと出会ったことで開花したのではないでしょうか(と考えるのは私だけかも・・?)。

患者さんの女性にエバンスのCDをさし上げたらのめりこんだ方がいましたっけ・・。
Posted by たぬき at 2009年12月23日 21:55
たぬきさん

>音色がきらいなのです

 あっ、そう!

>マイルスのところではあまりよくないです

 それはまだ試行錯誤、進化中と理解すればいいのでは?
 それにしても、マイルスの若手発掘の能力は凄いですね。しかも、エバンスに対しては、最大限の敬意を払っていたようです。天才同士、相通ずるものがあったのでしょう。

>患者さんの女性に

 よからぬ魂胆があったのね?
Posted by Boo! at 2009年12月24日 00:30
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