2010年05月22日

「ARIGATO」 ハンク・ジョーンズ・トリオ

Hank Jones_1.jpg

 H.ジョンーズが亡くなったという。好きなピアニストの一人なのでとても悲しい。いつの日か、彼のアルバムを紹介するつもりだったが、急遽取り上げることにした。

 確か、今年も来日公演したはずで、いつまでも元気なプレーヤーだなと感心していた。しかし、年齢を調べて驚いた。1918年生まれというから、91歳だ。生きるだけでも凄いのに、亡くなる直前まで現役を続けていたのだから最高の人生だ。

 キャリアが長いだけでなく、その実績が半端ではない。1947年ごろから人気が高まり、エラ・フィッツジェラルドの専属伴奏、やがてベニー・グッドマン楽団に入る。その後、フリーとして著名なプレーヤーとの数多くの共演・録音で確固たる地位を築き、1973年からは自己のトリオ、「グレイト・ジャズ・トリオ」を結成し、日本でも多くのファンを獲得した。

 私個人的には、トリオ結成前のプレイが好きだ。特に、ポール・チェンバース(b)の名盤「Bass on Top」や、アート・ペッパーの「So in Love」での演奏がいい。

 それにしても、彼の美しいタッチと揺るぎのないテクニックは素晴らしい。また、ハーモニーにも彼独自のものがあるように思う。

 久しぶりにLPコードを取り出し、針を降ろした。日本を愛して止まなかった彼が、日本側からの要請を受けてレコーディングしたものだ。ベテラン・ベーシストであるリチャード・デイビスを迎えている(残念ながら、余り好きではないベースだ)。

Hank Jones_2.jpg

 一つの時代が終った感があるが、彼の作品は永遠に残る。いつまでも、ファンの心に刻まれていくことだろう。

 アルバム・タイトルにちなんで、私も彼に「アリガト」の思いで聴いている。

 LP盤。1976年録音。Hank Jones(P),Richard Davis(B),Ronnie Bedford(Ds)


 と、悲しんでいたら、続いて淋しいニュースが飛び込んできた。

 日本のジャズ専門誌の草分け的な存在であった「スイング・ジャーナル」が休刊するという。イヤー、驚いた。

 私も20代から50代近くまで、定期的に購読した。当時は他にジャズ誌がなかったこともあるが、ジャズ・ファンにとっては、唯一ともいえる貴重な情報源であった。

 しかし、いつの頃からか変に権威づいた雑誌になってしまい、時々、「違うんじゃないのかな?」と抵抗を感じることが多くなった。

 特にジャズ評論家と称する一部の方たちの作品紹介には首を傾げることがよくあった。旧作だけでは物足りなくなるから、時には新作、それも有望な新人による作品を聴きたくなる。どれでもと言うわけにはいかないから、やはり、SJに紹介されているアルバムを参考にする。評論家の推薦の言葉を信じる。

 だが、何回裏切られたことだろう。「こいつら、ちゃんと聴いて推薦しているのか!」と腹立たしかった。だが性懲りもなく「今度は大丈夫だろう」と期待して、ついつい、信じて買ってしまうことが何回もあった(笑)。

 「SJのお墨付きなら」と、私のように買い込んだファンは多かったろうな。

 そんなこんなで、SJには見切りをつけ購読をやめた。

 勿論、素晴らしい評論を書く方もいた。だが、少なかった。むしろ、「こんな連中が幅を利かすような雑誌になっては駄目だ」と忸怩たる想いだった。

 若者のジャズ離れ、景気の低迷による広告収入の激減などが原因だろうが、私のような思いで、離れていったファンも多いのではないか・・・。

 再び発刊するのかどうかは分らないが、今までと同じやり方で再発刊しても難しいだろう。

 これも一つの時代の終わりと痛感する。 
posted by Boo! at 22:42| 東京 ☀| Comment(8) | JAZZはいかが? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ハンク ジョーンズ、本当に残念ですね。

何と言う盤かは覚えていませんが「Someday my prince will come」の軽快なタッチが好きでした(たしかベースがスコット ラファロ風に弾いていたような・・)。

スイング・ジャーナルは昭和58年に家を新築した時に購読をやめてしまいました。

理由はBooさんと同じように感じたジャズ評論家の権威づけ?とうんちくの多さだったからでした。

しかし、廃刊とは寂しい気がしますね。
ジャズよ、お前も終わったか・・・ですかねえ?
Posted by たぬき at 2010年05月23日 00:41
たぬきさん


 素晴らしいピアニストでしたね。

>「Someday my prince will come」

 この曲を取り入れたアルバムは何枚かあります。アルバム・タイトルにしたものもあります。ベースはR.デイビスです。

 しかし、たぬきさんの印象ではS.ラフォロ風といいますから、違うでしょうね。

 恐らく、アルバム「THREESOME」ではないかと思います。ベースはエディ・ゴメスですから、ラファロ風に合っています。
Posted by Boo! at 2010年05月23日 10:10
生き証人がまたお一人...
ご冥福をお祈り致します。

昨年夏の録音
http://www.harman-japan.co.jp/news/jam_at_basie.html
ガラス製のCDだそうです
Posted by イィヴィ平野 at 2010年05月23日 23:12
イィヴィさん

 1950年代、60年代に活躍したプレーヤーはほとんどいなくなってしまいました。

 ハワイアンの世界も同じく、誰もいなくなりました。でも、ジャズ界と違って、次の後継者が出てこないことが大問題です。

 イィヴィさんが頑張らないと・・・!
Posted by Boo! at 2010年05月23日 23:38
>ガラス製のCD
高価ですね。再生オーデオ装置もそれなりでないとだめなのでしょう。購入される方がおられれば、是非聞かせてください。

>次の後継者が出てこないーーー
スチールの魅力が分からないのでしょうね。
BOOさん
若手育成のためそろそろスチール音楽教室を立ち上げてください!
Posted by きぃばつ   at 2010年05月24日 22:57
きぃばつさん

>スチール音楽教室を立ち上げてください

 なはは・・・!
 立ち上げるのは簡単です。勝手に看板を立てればいいのですから。

 問題は、私が指導者では生徒が集まらないこと、私ではその魅力を伝えられないこと、また金はあっても(ウソつけ?)教えるだけの力がないこと、腕はなくともルックスに優れているので若い女性ばかりが集まり、妻の機嫌を損なう恐れがある・・・等々、いろいろな障壁があるのです(笑)。

 そう意味では、それらの心配が全く無い(?)きぃばつさんが向いていると思いますが・・。あっ、女性に持てそうもない、たぬきさんも充分資格がありますね(笑)。
 先輩・後輩コンビでどうですか?
Posted by Boo! at 2010年05月25日 00:07
あえて「音楽教室」と書きました。

ベース、ギター、ウクレレも教えられ、コード理論にも滅法強いBOOさんなら、「教室」を開けます(まじめな顔で書いてます)。若手育成に是非一肌脱いでください。たぬきさんの場合は、のみ教室に移行しますので心配です。
Posted by きぃばつ at 2010年05月25日 22:40
きぃばつさん

 余り買い被りしないで下さいね(笑)。

 私の場合は、口だけ、頭でっかちで、腕が伴っていません。幸いにも、オフ会メンバー以外、私の演奏を知りませんから、勝手な事を書けます。

 以前にも書いたと思いますが、知人を通して「教えて欲しい」と電話がありました。二人でしたが、低調に、じゃない、丁重にお断りしたくらいです。

 教えるのではなく、一緒に勉強するということならまだ考えるのですが・・・。それもこれも、仕事をリタイアした後のことになるでしょうが。
Posted by Boo! at 2010年05月26日 00:14
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。