2010年07月27日

白内障入院手術体験記F

 昼食を終えると看護婦が、「**さん、2時に検査室まで来て下さい」と伝えに来た。

 時間通りに行くと、すぐ名前を呼ばれた。手術した先生の助手が眼に光を当てながら、念入りに検査。「大変良好です」との言葉にホッとした。確かに、痛みや違和感みたいなものは全く無い。「明日、もう片方の手術ですが、前回と同じように1時間半前からの点眼をお願いします。午後2時からの手術予定となりますから、ゆっくりお休み下さい」

 診察が終り病室に戻ると、なんと妻が来ていた。期待していなかったので、少々、驚いた。開口一番、「どう?」と訊かれたので、「うん、すごく良く見える」「あっそう、良かったね!」「よく見えすぎて、お前がそんなに老けたとは気がつかなかったよ」・・・とは決して云わなかった(笑)。

 ロビーまで連れ出し、あれこれと入院中の出来事を話した。鎌倉のご夫婦の話には大声を出して笑っていた。「それよりも、隣のイビキに参っている。明日手術だから、また眠れないと困るんだ」と言うと、「確か耳栓持っているよ」と、バッグの中を探し、取り出した。「おお、たまには気がつくじゃん」と見直した。

 妻は、ロビーや廊下の壁にかかっている案内板の文字や雑誌のページを開いては、「あれは読める?」「これは?」と、うるさい。楽勝に読むものだから、「凄いね。私よりも見えるかも・・・」とビックリしていた。「そう、だからお前がそんなに老けたとは・・・」と、再び口元まで出かかった。危ない、危ない!

 2時間近くいただろうか、「これから友人と会って食事する」と言って、帰って行った。


 左眼だけとはいえ、よく見えるようになったので、ロビーまで何度も往復した。夕食後も行き、外の景色を眺めた。都会のど真ん中だから、夜景が美しい。ソファに座り、ゆっくり窓の外を見回すと、東京タワーが目に入る。夜になると、イルミネーションが点灯する。術前はくすんだ色にしか見えなかったが、鮮やかな青(緑?)のイルミネーションに感激し、しばし見とれた。「片眼でもこれだけ見えるのだから、両眼共見えたら・・・」と、明日の手術への期待が大きくなった。

 病室に戻ろうとすると、例のイビキ患者がやってきた。目が合い、軽く会釈すると、向こうも「箸」の礼を言いながら隣に座った。

 なんでも、仕事中に眼の異常を感じ、急ぎ眼科に駆け込んだところ、「網膜はく離」と診断され、緊急を要するということで、この病院に送られたそうだ。片眼だけだが、突然、視野の半分が全く見えなくなったそうで、このまま治らないと、仕事を続けることができなくなると、心配の様子だった。


 数年前に定年退職し、第二の職場で働いているそうだ。それまではデスクワークが主だったので、運動と実益を兼ねて、自転車による宅配をしているとか・・・。都内の企業や役所から依頼される急ぎの書類を運ぶそうだ。車の混雑、駐車の取り締まり、細い道などで、車では仕事にならないとか。そういう仕事なら、眼が悪くなっては続けられないだろう。

 ベランメー調で言葉は荒っぽいが、いわゆる「江戸弁」というのか、サッパリとしている。すっかり好感を持った。

 この夜のイビキを心配したが、不思議なもので相手のことが分ってくると、あまり気にならなくなった。もっとも、妻の持参した耳栓をしっかりはめたけど。

 まずまず眠ることができ、朝を迎えた。いよいよ2回目の手術だ。 
posted by Boo! at 21:48| 東京 ☔| Comment(2) | 健康・運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>期待していなかったので、少々、驚いた

素敵な素晴らしい奥さんです。

それこそ「胸の中の"思い"は見えないけれど"思いやり"は誰にも見える。暖かい心が、あたたかい行為になる時」です。
Posted by きぃばつ at 2010年07月29日 22:36
きぃばつさん

>素敵な素晴らしい奥さんです

 そのままの言葉を女房に伝えます。しかし、「豚もおだてりゃ」のタイプですのでね・・・(笑)。

 あくまでも、友人との食事がメインであって、見舞いは「ついで」でしょう(多分)。
Posted by Boo! at 2010年07月29日 23:11
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