2014年05月30日

京都・奈良 7

 「天龍寺」の広い境内を散策した後、「竹林の道」に出た。その名の通り、細い道の両側は竹が茂っている。唱歌・箱根八里の「昼なお暗き・・・」のごとく、竹で空が覆われ、まるでトンネルのようだ。よほど珍しい風景なのか、中南米からと思われる数人のグループが、一人ひとり交代しながら写真を撮りあっていた。

 ゆっくり歩き、目指すは「大河内山荘」だ。途中、「野宮(ののみや)神社」があるが、ここは寄らない。縁結びの神社として有名だからか、若い女性の姿が目立った。そういえば、「蘭子さん」によく似た人がいたなあ。もしかすると、ご本人だったか?「そうか、相変わらず縁の薄い方なんだ」と同情しつつ、素通りした(笑)。

 「竹林の道」を抜けて、更に300mほど歩くと、「大河内山荘」の入り口が目に入る。ひっそりとして、目立たぬ看板なので、気が付かずに通り過ぎてしまう方が多い。しかし、ここは知る人ぞ知るの名所で、京都を訪ねると必ず寄りたくなる場所だ。

 年配の方であれば、「大河内」といえば昔の時代劇俳優を思い浮かべるはずだ。「大河内伝次郎」のことだ。彼自ら設計し、約30年かけて造り上げた別荘というのだけど、その広大な敷地といい(山一つ分みたいなものだ)、京の町並みを一望できる展望台、それに目の前に迫る嵐山はまるで庭続きのようだ。見事な借景にしている。入園料1000円は他と比べて高いが、充分にそれだけの価値はある。つくづく昔の大スターは、スケールが違う、と実感する。

 あまり知られてないからか、人の出入りが少なく、かえってそれが静かな印象を与えてくれて、好ましい。途中、一服できる茶席が用意されている。茶菓をサービスしてくれるのだ。これも楽しみの一つだ。

 この後は、「常寂光寺」と「落柿舎」に向かう。のんびりと田舎道を歩いていく。

 「常寂光寺」は紅葉の名所として有名だが、残念ながらその季節ではない。しかし新緑若葉が美しかった。歴史を感じさせる古い佇まいも良い。

 「落柿舎」は、俳人・向井去来の草庵だった。師匠である芭蕉も良く滞在したらしい。庭には去来を始め、芭蕉や高浜虚子の句碑がある。そこで、「私も一句」と思ったけど、俳句の素養などまるでない私には一文字も浮かばなかった(悲)。

 ここを出るともうお昼過ぎだ。腹も減ってきたので、嵐山方面に戻ることにした。といっても2,3Kmは歩くので、途中に店があればそこで食事することにした。

 「落柿舎」を出て間もなく、案内地図の前で二人の若い男女が一生懸命見入っていた。我々が近づくと、男性が声をかけてきた。

 「Do you speak English?」と言った(このくらいは何とか分かる)。

 「うーむ、日本語なら達者なんだけどなあ・・・」と、困った。すると横にいた妻が、私の戸惑いを無視して、「Yes!」と答えたから大変なことになった(悲)。「お前はいつも、後先を考えぬやつだ」と怒ってみても遅い。一気に早口で「**** *** **?」と、まくし立てられた。

 「そんなに早く喋ったら、分からんだろうに!」と言おうとしたが、英語では出てこない(悲)。すると彼も感じ取ったらしく、今度は多少ゆっくりと話しかけてきた。

 「Where *** monkey *** ?」とかなんとか、言ったような気がした。「モンキー?」「猿のことか?」「何を言ってるんだ、こいつは」

 そもそも、ここ京都で「猿」はないだろう。しばし、かみ合わないやり取りが続き、どうやら「モンキー・パーク」という所に行きたいことが分かった。だがそんな所、私は全く知らない。案内板で確かめても載ってない。「なにも京都に来てまで、猿を見ることもなかろうに」と思ったが、ここはなんとかしてやりたい。

 丁度、地元のおじさんらしき人が近くにいたので、確認してみた。説明によれば、桂川の「渡月橋」を渡った向こう岸にあるのだそうだ。案内地図を指でなぞりながら場所を教えてやると大喜びした。そして何度も何度もお辞儀しながら離れて行った。遠くの曲がり角で姿が見えなくなる直前には、もう一度手を振ってくれた。シンガポールから来たといっていたが、陽気な二人だった。

 言葉など多少不便でも、気持ちは通じるものだ。

 途中、小さなレストランを見つけ、入った。二人のおばさんが働いていたが、姉妹で店をきりもりしているそうだ。家庭的な料理で、大変美味しかったし、値段もリーズナブル。

 他に客はいなかったので、「この辺は、いつごろの時季に訪れるといいですか?」と訊いてみると、「やはり、秋の紅葉でしょう」と、一人が答えた。「そうか、紅葉か・・・」「よし、次回は紅葉の季節に来よう」と、プランを描いた。
posted by Boo! at 21:48| 東京 ☀| Comment(4) | 旅行記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かにかまえてからシャッター切るのが遅い方多いですよね。

デジカメなんだからバチバチ撮って良い画像をチョイスすればいいのにね。

しっかり構図を考えて被写体に注文付けて・・・そんなの60年前の箱カメラでフラッシュたいた時代ならわかるけどね。

竹林・・・あそこは家内も好きなようで妹と行ってます。

やはり京都は紅葉でしょう、これから酷暑の京都ですからね。

いよいよ明日からはや6月ですな。
Posted by あたごウクレレ at 2014年05月31日 18:29
あたごウクレレさん

>家内も好きなようで

 そうですか。それなら「大河内山荘」もご存知かもしれませんね。

 観たいスポットが多すぎて、悩みます。しかしあまりな過密スケジュールで周っても、かえって印象が残らないものです。ゆっくり、のんびりと周ったほうが良いでしょう。と考えて、観光してきたわけですが、あと2,3か所くらい、増やしたかったです。


>京都は紅葉

 あのロケーションを考えると、確かに素晴らしいでしょう。雪の京都も素敵でしょうね。
Posted by Boo! at 2014年05月31日 23:30
縁とは不思議なもの。
ここにコメント書いてることもMATTさん繋がりの縁ですね。

「縁結び」となると私も素通りかな。

過去に奈良と大阪にそれぞれ6年間ずつ住んでました。
あの頃にあちこち観光しておけば良かったと今更ですが思います。
京都はいいですよね!
「大河内山荘」に興味あり!ゆっくり回ってみたいなぁ。
Posted by ranko at 2014年06月02日 23:39
rankoさん

>MATTさん繋がりの縁

 うーむ、縁にも、良縁、悪縁、腐れ縁、因縁等々、いろいろあります。MATTさん繋がりだと、やはり、悪縁、腐れ縁でしょう(笑)。MATTさんから離れることによって、「縁結び」に近づくかもしれません。素通りしてはダメです。


>6年間ずつ住んでました

 そうでしたか。じゃ、詳しいですね。大阪には仕事で1か月間、滞在したことがありました。火災を起こした「千日デパート」の近くでした。


 大河内山荘、一度寄ってください。
Posted by Boo! at 2014年06月03日 00:00
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