2015年02月27日

他人のふり

 高校時代の友人が、「ブログを始めた」という。意外な思いがした。

 先日、数人の仲間と飲み会をやった時に、彼の口からポロッと出た。気恥ずかしいから、本心は内緒にしておきたかったらしい。私なんか自分のブログをまだ秘密にしており、友人の誰も知らない(笑)。

 我々の世代となると、ブログどころか、パソコンやインターネット関連の話題そのものに苦手意識を持つ者が多い。しかし、彼らは皆、私と違って頭脳明晰、学業優秀だった。そんな彼らが苦手なのだから、面白い。

 「だって、現役のころはパソコンは必須だったろう?」と、疑問をはさむと、「いや、若い奴等がほとんどやってくれるから、俺は確認するだけだった」と言う。つまり、偉くなると、そういうこまごまとした仕事をする必要がない、と言いたいらしい(笑)。

 携帯やスマホでメールを送ることさえ、拒否反応があるそうだ。「時代遅れだなあ!」と、私はせせら笑う。

 ブログを始めた彼はサラリーマンだった。数年前に定年退職し、一年くらいブラブラしていた。しかし、さすがに時間をもてあまし、市が支援する「パソコン教室」に通うようになった。それまでは全くのパソコン音痴で、頭から「自分には向いてない」と思い込んでいたそうだ。

 携帯は通話のみだし、メールなんてまったくできなかった。笑ったのは、携帯に電話番号を登録することすら知らず、友人、知人でも一々番号を入力してかけていた。あまりにもまどろっこしいので、一度私が登録してやった。しかし、自分で追加はできないから、会うたびに追加登録してやった。手間のかかる奴だ(笑)。

 「携帯を持ってるなら、メールのアドレスを教えろ」と言ったら、「メールなんかしないから、そんなもの知らない」と、えらそうに言う。挙句に、「メールじゃなくて、ファクスのほうが便利だ」と抜かす。「馬鹿者!今時、ファクスなんてかえって面倒くさいのだ。俺なんか、処分してしまったぞ」「えー、勿体ないなあ」「いや、そういう問題ではないんだけど・・・」と、全く話がかみ合わない。

 そんな彼でも、「時代から取り残される」と、危機感を持ったようだ。一念発起して、教室に通うことにした。

 やがてネットの世界を知り、「こんなに面白いとは・・・」と、すっかり目覚めた。「**(私の名前)は、20年以上も前からこのような世界を知っていたのか・・・」と、私に尊敬(?)の眼差しを向けた。「当たり前だ。お勉強では負けたけど、パソコンなら俺が勝った!」と、密かに勝利宣言をした(笑)。

 更に色々なブログ記事を読んでいるうちに、自分でも書きたくなり、教室の講師に手伝って貰いながら、遂にページを立ち上げた。

 彼は元々、自然観察や写真が趣味で、特に川魚の生態に関心が強い。ブログは興味のあるものを取り上げることが長く続けるコツだから、その点では理想的だ。

 早速彼のブログにアクセスした。そこには玄人はだしの見事な写真と一緒に、短文が添えられていた。まだ慣れてない印象があり、かえってそれが初々しい。誰からもコメントが寄せられていなかったので、私が最初の書き込みをした。それもあえて私の名前は記さず、ハンドルネームで書き込んだ(Boo!ではない)。

 よほど嬉しかったのか、お礼の言葉を連発し、「これからもよろしくお願いします」と、馬鹿丁寧な返事を書いていた。つい、「俺だよ、俺!」と、次のコメントを書こうとしたが、当分の間、「他人のふり」を続けよう(笑)。
posted by Boo! at 22:44| 東京 ☁| Comment(0) | 音楽以外の関心ごと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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