2016年06月28日

付き添い

 最近妻の視力が落ち、「字が読めない」だの、「こんなに不便とは」と、嘆いている。

 元々妻の目は、見え過ぎるくらい良かった。テレビから5,6mほど離れても小さな字幕が難なく読めたほどだ。車に乗れば、私には全く見えない遠くの看板の文字が判読できた。しかし2年くらい前から、「なんだか、前みたいにハッキリしなくなった」と言い出し、ビンのラベルを見つめてはため息をつき、私に「読んで」と頼むことが増えた。しかし、遠くはまだ良く見えるから、免許更新は裸眼で大丈夫だ。

 数年前に白内障の手術をした私だから、彼女の不便さは良く理解できる。今になって、「目で悩んだことなんてなかったから、見えない人の気持ちが分からなかったわ」と、当時の私の状況に同情する。遅いんだよ!

 「加齢による老眼じゃない?」と言うと、「・・・」、まだ老いを認めたくないのか、悔しそうに黙ってしまう(笑)。

 最近更に症状が進んだようで、眼鏡を取っ替え引っ替えしては、「読めない」「こんな小さな文字、誰が読めるんだよ!」と、文句の矛先が印字した相手に向かう。「お前だって、かつては苦もなく読んだじゃん」と言うと、「確かに。そう言えば、針の穴に糸を通せない母親を見て、どうして見えないのかと思った」

 人間、自分がその立場にならないと分からないものだ。

 単に老眼だけならいいけど、私のように白内障だったり、もっと悪ければ緑内障、最近増えているらしい「黄斑変性症」だと心配だ。「一度ちゃんと検査した方がいいよ」と勧めると、素直に頷いた。「いつもそのように素直だったら」と言いそうになった(笑)。

 白内障で世話になった当時の眼科医を思い出し、先週仕事を休んで、病院に連れて行った。当時でも結構年配の医者だったので、「ひょっとすると引退したかも」と懸念した。しかし、元気に診療していた。

 「瞳孔を開いて検査する」ことになり、その為の点眼をする。私が散々体験したことだ。時間がかかるし、一人で待っていてもしょうがない。近くの喫茶店で時間をつぶすことにした。「終わったら連絡して」と伝え、病院を出た。

 2時間後、携帯の着信ランプが点滅した。弾けた声で、「どこも悪くないって!」と叫んでいた。「悪いのは頭だけだ」と聞こえないようにつぶやきながら、「良かったね」と、一応喜んでおいた。

 病院に戻り、自宅に帰る途中、レストランに寄り、ランチした。検査の結果を得意気に喋る彼女。異常のなかったことがよほど嬉しかったようだ。ちゃんと度の合うレンズにしたら、嘘のように良く見えるそうだ。「処方箋をもらったので、近いうちに新しい眼鏡を作る」と、それがまた嬉しそうだ。

 つまりは、度の合わぬ眼鏡を掛けて、「見えない、見えない」と騒いでいただけだったのだ。人騒がせな奴だ。

 仕事を休んでまで付添うことはなかった。まったく!
posted by Boo! at 21:57| 東京 ☁| Comment(4) | 健康・運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
BOOさん 愛妻さんは眼がよすぎるんですよね。
なので近場が見えない。
眼鏡の処方だけで大丈夫だったんですね。家内と同じです、ハイ。
Posted by あたごウクレレ at 2016年06月29日 20:40
>>仕事を休んでまで付添うことはなかった。まったく!。

なんて事言うの、奥様は一生ささげて、Booさんと付き合ってるって〜〜のに。
Posted by 阿羅漢 at 2016年06月29日 21:02
あたごウクレレさん

>眼がよすぎるんですよね


 そのようです。しかも美しすぎる・・・なーにを言ってるんだか?

 日常生活では、遠くがよく見えるよりも、3,4m周囲にピントが合った方が楽ですね。

 私の眼内レンズも近くに合わせてあります。運転する時だけ、遠距離用のメガネに替えます。

>家内と同じです

 訊いてませんが・・・(笑)。
Posted by Boo! at 2016年06月29日 21:42
阿羅漢さん

>一生ささげて

 そうです。人生を捧げ、金も捧げ(大したことないけど)、ついでに体も捧げた・・・・うーむ、複雑な心境だなあ。

 阿羅漢さんは真逆でしょう?

 人生を台無しにされ、金はふんだくられ、体は思いっきり蹴飛ばされた。なんという悲劇的な一生か・・・。たぬきさんとそっくり!
Posted by Boo! at 2016年06月29日 21:47
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