2007年06月14日

「LOVER MAN」 BEN SIDRAN TRIO 

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ベン・シドラン(1943年生まれ)はピアニストであり、ボーカリストでもある。好きな人は滅茶苦茶に好き、そうでもない方にとっては、関心外、誰?それ?といった風に極端に分かれるかもしれない。

 父親が大変なジャズ・レコード・コレクターだったそうで、その環境の中で育った彼は、当然のごとくジャズに目覚めた。ハイスクール時代にはジャズ・トリオを組んでかなり活動したらしいが、大学に進むと、後に盟友となるスティーブ・ミラーやボズ・スキャッグスと出会うことで、ロック系音楽からも影響を受けることになった。

 その後、英国に留学して、なんと哲学博士号を修得する。その英国で知遇を得たのが、敏腕プロデューサー/エンジニアのグリン・ジョンズだった(イーグルスやローリング・ストーンズを手がけたことで有名)。

 このジョンズによってレコーディングの機会を得る。

 彼の音楽は基本的にジャズが土台になっているが、ロック、フュージョンといった要素も含まれた複合的な音楽だ。

 大変魅力的な声の持主であり、彼の作り出すサウンドはユニークで斬新だ。ピアノ・プレイも変に多弁でないところに好感が持てる。

 ジャズ・ピアニストというよりも、シンガー・ソングライターといったほうがふさわしいかな・・・。

LP盤。録音年は記されてないが、恐らく1984年頃と推定する。
Ben Sidran(Key/Arr)、Billy Peterson(EB)、Ricky Peterson(Syns/Ds)、etc.
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2007年06月05日

「TEQUILA」 Wes Montgomery

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今回は、ちょいと古めのアルバムです。かつてのジャズ・ギターの大御所であったウエス・モンゴメリーの作品です。
 
 私はなにより、このジャケット写真が大変気に入っている。この良さはCDのちまちましたジャケット写真では伝わってこない。

 ウェスといえばオクターブ奏法。それもほとんど親指1本で弾く。私も一時、真似事をしてみたが、なかなか上手く弾けなかった。ピックを使わないので音はまろやかだが、図太い芯が入っているかのように腰のある音だ。

 この人の最も油の乗った時期は、やはりウィントン・ケリー(P)やトミー・フラナガン(P)と共演した頃だと思う。その前の、メルビン・ライン(Org)との共演も悪くはないが、凄さを感じるのはこの二人との共演だ。

 ウェスは沢山のアルバムを残したが、ある時を境にしてコマーシャルな作品作りに方向を変えてしまった。それもまるで生き急ぐかのように次から次へと発売した。その転換点がこのアルバムではないかと、私は勝手に想像している。

 少しポップスっぽい雰囲気も入っているが、まだまだジャズ・ギターの醍醐味を味わうことが出来る。私がウエス・ファンであったのはこのアルバムまでで、これ以降の作品には興味がなくなってしまった。

 彼はこの録音の2年後、43歳の若さで急死する(心臓病)。

LP盤。1966年録音。Wes Montgomery(Gt),Ron Carter(B),Grady Tate(Ds),Claus Ogerman(Arr)
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2007年05月31日

「THE HI-LO'S BACK AGAIN」 THE HI-LO'S

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 ジャズ・コーラスが好きな方なら、「ハイローズ」というグループはご存知だろう。

 1953年から約10年間活躍し、解散した。ジャズ・コーラスといえば、まずフォー・フレッシュメンが浮かぶが、彼らフォーフレッシュメンをして「歌の上手さでは僕らを超えている」と言わしめたほどの実力者グループだった。

 フォー・フレッシュメンのコーラスにはかっこよさと同時に、泥臭さも併せ持っていた。しかし、ハイローズは誠に洗練されたコーラスだ。モダン・ハワイアンコーラスを歌う「THE INVITATIONS」は、フォー・フレッシュメンだけでなく、このハイローズからも影響を受けたのではないかと思われる。

 彼らは4人で構成されており、各人それぞれ楽器をこなすようだが、演奏は全くやらず、ヴォーカルに徹していた。この辺は、達者な演奏も披露するフォー・フレッシュメンとは異なる。

 とにかく、この4人の声域の広さは圧巻だ。ハーモニーも寸分の狂いもない見事さだ。

 解散後、メンバーの二人が「シンガース・アンリミテッド」を結成して人気を得たので、知っている方も多いかもしれない。残りの二人は、プロデューサーになったり、衣装店の経営者になったりと、歌の世界からは全く離れたらしい。

 この再編ハイローズの録音とジャズ祭出演のため、周到な準備、練習を重ねたらしい。

 確かに聴いてみれば、まったくブランクを感じさせない出来栄えだ。選曲はスタンダードばかりだが、アレンジが素晴らしい。中でも「ミスティー」をボサノバのリズムで歌うなど、粋だ。

LP盤。1978年録音。
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2007年05月19日

「SWINGIN' SOFTLY」 JOS VAN BEEST TRIO

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 J.Van Beestと聞いて、ピンと来る方は相当なジャズ・マニアに違いない。恐らく、ほとんど知られていない存在だからだ。

 オランダ出身のピアニストで、1957年生まれというから現在、50歳だろうか。

 たまたまCDショップに流れていたこのアルバムを聴き、即、購入した。ジャケットを見ると、「澤野工房」が発売元になっていた。この会社は大変ユニークで、主にヨーロッパの埋もれたジャズメンを積極的に発掘して日本に紹介している。一般の大手レーベルではできない戦略だ。中には、首を傾げたくなるような作品もないではないが、しかし、こういう意欲的な考えのレーベルもないと、どこも似たり寄ったりのアルバムばかりが発売されることになる。

 紹介するアルバムは、ほとんどスタンダードナンバーで構成されている。私の大好きな曲、「Stella by Starlight」や「Here's that rainy day」など、大変美しいタッチで演奏されている。クラシックピアノの素養があると思ったのだが、どうもそうではないようだ。

 父親がやはり、ジャズピアニストだったらしいが、彼が3歳の時に亡くなっているので、父親の影響は受けていない。10歳上の兄が父親の手ほどきを受けていたので、その兄から教わったとか。家にあったエロール・ガーナー、アート・テイタム、ファッツ・ウォーラーとオスカー・ピーターソンといったレコードを聴いてジャズを学んだらしい。特にピーターソンの影響は大きかったと述べている。

 作品自体は大変聴きやすいので、物足りない面もあるが、しかし、気持ちをリラックスさせたい時、BGMで静かに流しておくには最適だと思う。伴奏も悪くない。

CD盤。自主制作らしく録音年不明。Jos Van Beest(P),Evert J.Woud(B),Rolf Breemer(Ds)
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2007年04月27日

「HOT HOUSE FLOWERS」 WYNTON MARSALIS

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 日本でも大変人気の高い、ウィントン・マルサリスの作品だ。日本では「スター・ダスト」というアルバム名で出されている。

 マルサリスがデビューした頃の衝撃は忘れない。80年代最初の頃だったと思うが、余りの上手さに信じがたい思いだった。半端なテクニックではなく、超絶技巧というのか、とんでもない高音まで楽々と出す。音色も素晴らしく、これでまだ20歳そこそこかよ、空恐ろしい奴が出てきたものよとすごいインパクトを受けた。

 この作品を吹き込んだのは1984年で、若干23歳の時だ。すでに老成しているのではと思うほど、完成度が高い。

 共演メンバーも腕達者揃いだが、特にピアノのケニー・カークランドが素晴らしい(残念ながら、98年に43歳という若さで急死した。死因は不明)。収録曲はスタンダードばかり。どれも見事なお手並みで料理している。格調も高い。

 最近、マルサリスはジャズの普及活動に努めている。それはとても結構なことだとは思うが、ジャズを知るにはその歴史までも知る必要があるとばかり、ニューオーリンズ・ジャズをやたらに演奏している。そうかもしれないが、あまり押し付けられると辟易する。この点を除けば、言うことなしなのになあ・・・。


LP盤。1984年録音。Wynton Marsalis(Tp),kenny Kirkland(P),Branford Marsalis(ss,ts),Ron Carter(B),Jeff Watts(Ds)
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2007年04月18日

「MR.CLARINET」 The Buddy De Franco 4

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 ジャズ・クラリネット奏者というと、普通、誰を思い浮かべるだろうか?

 ベニー・グッドマンが真っ先に浮かぶに違いない。次にアーティー・ショーあたりか。アーティー・ショーの名前が浮かぶ方は相当に古いジャズファンであろう。日本人だと、北村英治さんが圧倒的な存在だ。

 テナーやアルト・サックスと異なって、あまり名前の出てこない楽器だと思う。これは一つには、サックス奏者がクラを併用して使うことが多く、クラ一本というプレーヤーが少ないことにあるのだと思う。

 ベニー・グッドマンは当然ながら、素晴らしい。彼のスィング感はたまらない魅力だ。ただ、彼の影響力が余りにも大きすぎて、クラというとスィング・ジャズと結びついてしまう。

 デ・フランコも最初に影響を受けたのは、やはり巨人グッドマンだったらしい。あまりにも偉大なプレーヤーから影響を受けると、なかなかその枠から抜け出すのは難しいと思う。

 しかし、彼は、チャーリー・パーカー(As)を聴いて全てが変わったという。この瞬間から、スィングからモダンジャズに転向したのだ。

 彼のプレーを聴けば分るように、クラリネットとはいえ、いわゆるクラ特有の甘ったるい音色は一切ない。むしろ厳しい音色だ。いわば、モダン・クラリネットの草分け的存在であり、第一人者だ。彼の実力からすると、もっともっと評価されていいと思うのだが。

このアルバムは彼のベストといっていい素晴らしいできばえだ。CD盤も出ているようだ。

LP盤。1953年録音。Buddy De Franco (Cl),Kenny Drew(P),Milt Hinton(B),Art Blakey(Ds)
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2007年03月01日

「THE CAT」 Jimmy Smith

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 「憧れのハワイ航路」の記事で、この「THE CAT」に触れたので、紹介したくなりました。せっかく紹介するのになんですが、絶対聞いて欲しいという訳ではありません。

 ジャズ・ナンバーが広く世間に受け入れられて大ヒットするということは、滅多にない。その少ない中から私の乏しい記憶から思い起こせる曲というと、「モーニン」:アート・ブレイキー、「テイク・ファイブ」:デイブ・ブルーベック、「危険な関係のブルース」:アート・ブレイキー、「ジ・インクラウド」:ラムゼイ・ルイス、「マシュ・ケナダ」:セルジオ・メンデス、それにこの「THE CAT」。あとはボサノバの「イパネマの娘」アストラッド・ジルベルト・・・これくらいしか思い浮かばない。他にもありましたら、教えてください。ただし、スタンダードジャズは除きます。あくまでも、オリジナルナンバーです。

 「THE CAT」は典型的なブルース・コードによるリフの繰り返しだが、当時は、格好いいなと思ったものだ。また、リズム・パターンもワン・パターンの繰り返しだが、これがなんとも気持ちよい。

 一時、ジミースミスは譜面が読めないらしいという情報が飛び交い、一部のファンの間では根強く信じ込まれたことがあった。しかし、彼はちゃんとした音楽学校でベースとピアノを専攻しており、根も葉もない噂に過ぎない。

 このアルバムが大ヒットしたことによって、ジミースミスは一躍大スタープレーヤーになり、オルガン奏者として大御所的な存在になって行く。生涯現役で、最後まで第一人者であったことは驚異的でさえある。2005年2月に79歳で亡くなった。オルガン奏者を目指すのであれば、この人を抜きにしては考えられないだろう。


 
LP盤。1964年録音。 Jimmy Smith(org),Kenny Burrell(gt),George Duvivier(B),Grady Tate(Ds) etc.
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2007年02月04日

「CICERO'S CHOPIN」 EUGEN CICERO TRIO

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 オイゲン・キケロというピアニストは一時、日本でも人気があったからご存知の方も多いかと思う。ただ、ハードなジャズを好む方からは白い目で睨まれそうで、紹介しようか、するまいか迷った。でも、私はこのような聴きやすい演奏も好きなので、敢えて紹介します。
 キケロはジャズプレーヤーとしては珍しいルーマニア出身だ。母親から手ほどきを受け、10歳にしてリサイタルを開いたというから、やはり天才なのだろう。18歳頃からジャズに傾倒し始め、以来、クラシックとジャズを融合した演奏を得意とするプレーヤーとしてジャズ界でも認められるようになる。
 クラシック・ピアノで鍛えただけに、テクニックは抜群であり、力強いタッチはオスカー・ピーターソンの影響を感じさせる。
 デビュー盤でもある1枚目のアルバムは「ロココ・ジャズ」と言うタイトルで、バッハ・モーツアルト・スカルラッティといった作品を取り上げた。中々の評判をとり、一躍ジャズ・ファンの間でも有名になったほどだ。
 紹介するアルバムは彼の2枚目の作品だ。ここでは、ショパンの名曲だけを集め、ショパン・ジャズともいえる見事な演奏を披露している。クラシック・ピアノに充分精通していないと、ここまでは上手く料理できないだろう。クラシックファン、ジャズファン双方を納得させるだけの演奏だ。
 キケロのアルバムはこのほかにも数多く発売されたが、私はこの「CICERO'S CHOPIN」が最も好きだ。次にフランツ・リストを取り上げたアルバム「ROMANTIC SWING」もお奨めだ。

 LP盤。1965年録音。Eugen Cicero(P),Peter Witte(B),Charly Antolini(Ds)
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2007年01月27日

「The Nightfly」 Donald Fagen

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 前回のラリー・カールトンのアルバム紹介で、ドナルド・フェイゲンという名前を出した。私のブログ読者は年配の方が多いと思われるので(私もその一人)、「そんな名前、知らねーヨ」という方がほとんどかも知れない。だが、是非知ってもらいたいので、今回はドナルド・フェイゲンのアルバムを紹介します。続きを読む
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2007年01月23日

「SLEEPWALK」 LARRY CARLTON

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 ラリー・カールトンは今や、フュージョン・ギタリストとしては超大物の部類に入る名プレーヤーだ。かつては、クルセイダーズのセッションギタリストとして沢山のレコーディングに参加している。
 音色は暖かく、時には先鋭的だったり、音の魔術師とも言えるほど多彩な表現をする。その為、いろいろなミュージシャンからアルバム録音参加を求められるほどの超売れっ子ギタリストだ。私も大好きなドナルド・フェイゲン(スティーリー・ダン)のアルバムにも参加している。彼のプレイはテクニックだけでなく、とにかく洗錬されている。意外に思うかもしれないが、あのバディー・エモンズからも影響を受けたらしい。
 紹介する「SLEEPWALK」(日本のタイトルは夢飛行」は、かなり昔、1959-1960年頃に「サントとジョニー」という兄弟デュエットが作曲・演奏して大ヒットした曲だった。このときの演奏で使われた楽器がなんとスチールギターだったのだ。兄のサントがスチールを弾いていたと記憶している。当時、何かの雑誌に付録でついていたソノシートに彼らの演奏が入っていたことを覚えている。
 ラリーの弾く「SLEEPWALK」は甘くしっとりとして、本当に夢の中にいるような気分にさせてくれる。アレンジも録音もすばらしく、何回聴いても飽きない。この一曲を聴くために購入しても価値がある。
 CD盤ももちろん発売されているだろうが、アナログLPのほうがより暖かいサウンドを堪能できる気がする。

 LP盤。1981年録音。Larry Carlton(Gt),Terry Trotter(Ep),Abe Laboriel(B),Steve Gadd(Ds),David Sanborn(As),etc.


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2007年01月15日

「The Jackie Mclean Quintet」 The Jackie Mclean Quintet

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 このレコードは私の愛聴盤の一枚だ。グループ名がそのままアルバムのタイトルになっている。
 ジャッキー・マクリーンはチャーリー・パーカー後を担う天才アルト奏者として、大いに期待された逸材だった。最初彼に手ほどきをしたのは、ピアノのバド・パウエルだったらしいが、ジャッキーの才能に驚いてパーカーに彼を紹介したという。それがなんと16歳の時というのだから余程の才能だったのだろう。
 以来、彼はパーカーに心酔し、生涯尊敬し続けた。ただあまりにも心酔する余り、麻薬まで真似をして手を出したのはいただけないが・・・。
 私が好きな彼の作品は1960年以前のものに限られる。というのはそれ以降、かれはオーネット・コールマンの影響を受けて、いわゆるニュー・ジャズの方向に向かうからだ。
 この作品は1956年の録音であり、まさに彼の絶頂期ではないかと思う。このアルバムの中では、とりわけ「Lover Man」が大好きだ。CDでも出ているだろうが、持っておいて損はない。

LP盤。1956年録音。 Jackie Mclean (As),Don Byrd(Tp),Mal Waldron(P),Douglas Watkins(B),Ronald Tucker(Ds)
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2006年11月30日

「THE WILDMAN MEETS THE MADMAN」 BOBBY ENRIQUEZ & RICHIE COLE 

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 このピアニストを知っている方は少ないかもしれない。
 1970年代後半、リッチー・コール(A.Sax)の人気が日本でも高かったが、その彼が、ハワイのクラブでしょぼくれて弾いていたエンリケスを見つけ、自己のグループに誘い入れたらしい。余程の実力を認めたのだろう。
 その後、大活躍するのだからエンリケスにとってはリッチーは自分を表舞台に引っ張り出してくれた恩人になるわけだ。
 彼はフィリッピン出身というから、ジャズの世界では珍しい存在だ。しかし、日本ではボーカルのマリーンとかチャリートが活躍しているし、クラリネットのレイモンド・コンデさんなんかもベテランだが頑張っている。
 さて、エンリケスだが、どちらかというと鬼才というにふさわしい人かと思う。リズム楽器に大変な関心を持っているせいか、ピアノを弾くというよりも、ぶったたくと言った方がいいかもしれない。
 ピアノを打楽器のように、パーカッシブな演奏を繰り広げる。実にダイナミックだ。最低音部から最高音部まで、88鍵を目一杯使ってプレイする。
 しっとりした演奏を好む方には、あまり受け入れられないかも。
 しかし、聴いた後は不思議な爽快感がある。猛スピードで車を疾走させたような感覚だ。
 1曲、ハワイアンの「ブルー・ハワイ」が収録されているが、乗りのいいメディアム・テンポで楽しい。
1981年録音。Bobby Enriquez(P),Richie Cole(As),Bruce Forman(Gt),Bob Magnusson(b),Shelly Manne(Ds)
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2006年11月13日

「ECLYPSO」 TOMMY FLANAGAN TRIO

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 トミー・フラナガンほど色々なミュージシャンと共演した人はいないのではないか。
 ちょっと思い出しても、デクスター・ゴードン(Ts),ミルト・ジャクソン(Vib),ケニー・バレル(Gt),エラ・フィッツジェラルド(Voc),オスカー・ペティフォード(b),J.J.ジョンソン(Tb),ソニー・ロリンズ(Ts),マイルス・デイビス(Tp),ジョン・コルトレーン(Ts)等々、枚挙にいとまがない。特に、エラの唄伴ピアニストとしての名サポートぶりで有名だ。
 余りにもサイド・マンとしての評価が高かったせいか、意外とリーダー・アルバムが少なかった。しかし、78年頃に「スーパー・ジャズ・トリオ」を結成してからは目覚しい活躍をするようになった。
 又、彼の最も評価の高いアルバムとして超有名な「オーバーシーズ」(1957)は日本でも話題になり、一時はマニアの間で数万円の値段がついたことがあった。その後、再発売されたので、私は即、手に入れた。確かに素晴らしい作品だ。これはいづれ紹介することになると思う。
 さて、この「ECLYPSO」だが、これも中々素晴らしい。なんと言っても、私の好きなジョージ・ムラーツがベースで参加しているからだ。この人のベースソロは誠にご機嫌だ。ドラムは「オーバーシーズ」でも好演したエルビン・ジョンズ。彼が入るとピーンと緊張感が生まれる。
 実は、10年以上も前、ニューヨークに行った折、有名なジャズライブ店「スウィート・ベイジル」にフラナガン・トリオが出演していて、ベースがムラーツだった。彼と一緒に撮った写真は今でも居間に飾っている(自慢)。
 この時驚いたのが、フラナガンの弾くピアノの音の大きさだった。レコードでは控えめな、渋い演奏する印象が強かったが、ライブでは一変してダイナミックな演奏だった。
 CD盤もあるのでは。

LP盤。1977年録音。 Tommy Flanagan(P),George Mraz(B),Elvin Jones(Ds)
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2006年10月28日

「IT'S TIME」 MICHAEL BUBLE

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 古いアルバムばかり紹介しやがってと思われるのも癪だから、今回は最新のアルバムを紹介します。
 マイケル・ブーブレは、最近日本でも注目され出した男性ボーカリストだ。昨年、ラジオから流れてきた彼のボーカルに思わず惹きこまれ、すぐCDを購入した。それは、彼のファースト・アルバムで、その名もずばり「マイケル・ブーブレ」というアルバム名。これもいづれ紹介したいのでここでは触れない。
 今回紹介するのは、彼の2枚目のアルバムだ。つい先日、CDショップに行ったら、彼の名前が目に入ったので迷わず購入した。前作が大変良かったので、はずれることはないだろうと思ったのだ。思惑通りなかなか結構な作品だ。
 若いから声に艶があり、よく伸びる。速い曲を歌っても非常にスゥインギー。また、変なビブラートをかけず、ほとんどストレート近く歌うので、私には好ましい。フランク・シナトラ、ボビー・ダーリンといった流れをくんでいるようにも感じるが、彼らを更に洗練させた歌だ。スタンダード、ラテン、ポップス等々、見事に歌い分ける。中でもスタンダードの「A FOGGY DAY」やビートルズの「CAN'T BUY ME LOVE」は秀逸。そして、特筆すべきはアレンジの素晴らしさだ。録音も良い。
 女性が聴いたら、いっぺんにファンになるだろうな。

 CD盤。2006年録音。Michael Buble(Voc)
posted by Boo! at 18:42| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | JAZZはいかが? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月19日

「ART PEPPER LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD」ART PEPPER 4

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 アート・ペッパーは私の好きなアルト・サックス・プレーヤーだ。天性のアドリブ・プレーヤーとしか思えないその演奏は誠に素晴らしい。いかにも白人プレーヤーと思わせるその音色は暖かく、また時には先鋭的なサウンドにもなる。
 この人は、若い時から麻薬で刑務所や病院を出たり入ったりしている。一時は廃人寸前にまでなったらしい。昔のジャズメンには珍しくもないが・・・パーカー、コルトレーン、ジョー・パス等々。
 このアルバムは麻薬を断ち切り、見事なカムバックを果たした後の作品だ。沢山の名アルバムを残したペッパーだが、なんとこれが最初のライブ録音というのも意外な感じがする。全11曲だが、3枚のセットになっているのは、一曲あたりの演奏時間が大変長いからだ。「チェロキー」などは片面全部を使って15分以上の力演だ。どこから聴いても、完全にペッパーの世界だ。全く飽きさせない。
 メンバーは全員凄腕のプレーヤーばかり。私の好きなベーシスト5人の1人でもあるジョージ・ムラーツを始めとして、ピアノのジョージ・ケイブルスのサポートが実に良い。地味だが、渋くてブルージーだ。そして、エルビン・ジョーンズの強力なリズムが全体の緊張感を生んでいる。ペッパーのアルバムでもベスト3に入るだろう。

LP盤3枚組。1977年録音。 Art Pepper(As),George Cables(P),George Mraz(B),Elvin Jones(Ds)
posted by Boo! at 23:52| 埼玉 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | JAZZはいかが? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月14日

LIVE!

 昨夜、友人たちが中心になって結成した9人編成のセミ・フルバンドのライブに行った。と云っても、この日のプログラムのために集めた臨時編成だ。特に宣伝したわけでもないし、どちらかと云えば、難しいスコアを実験的に演奏するというものだったので、客の入りはどうかなと思ったが、ほぼ満席で、なかなか良い雰囲気だった。
 リーダーみたいな者はいないのだが、今回は、トランペットのH君がスコアをアメリカから取り寄せたので、彼を中心に組んだ。1949年にマイルス・デイビスが発表して大変な話題にもなり、不滅の名盤とも云われている「BIRTH OF THE COOL」(クールの誕生)のアルバムのスコアをオリジナルのままに演奏したり、ジェリー・マリガン(バリトン・サックス)がこのスコアを基に新しく書き直したものを演奏した。M.Davis.jpg
 どちらにしても、大変難しいスコアだったようで、ミュージシャンの力量が分かるというものだ。しかし、メンバーは各楽器のトップクラスの実力者ばかりなので、見事なアンサンブルを聴かせてくれた。彼らのプレイぶりを聴くと、日本のジャズ・プレーヤー達の実力は相当に高いと思う。勿論、彼ら以外にも優秀なプレーヤーは沢山いるようだし・・・。お寒いハワイアン界と比べてしまうと、羨ましい。出て来い!若手有望スチール・ギター奏者よ!
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2006年10月11日

「WAY OUT WEST」 SONNY ROLLINS TRIO

S.Rollins.jpg

 ロリンズはジャズ界の巨匠だ。ジョン・コルトレーンが登場するまでは、圧倒的に人気の高いテナー奏者だった。
 ロリンズは数多くのアルバムを残しているが、その中でもコンテンポラリー・レーベルでの作品が私は一番好きだ。はじけるような瑞々しい音、良く歌うアドリブ、それになんと言ってもリズム感が素晴らしい。彼のプレイだけに集中して聴いていると、実に複雑なリズムによるフレーズである事が分かり、それが彼のたまらない魅力になっている。
 メンバーは私の大好きなレイ・ブラウンがベースだ。本当にこの人は色んな人と共演している。ドラムはシェリー・マンだ。名盤だと思う。CD盤もあるはず。

LP盤。1957年録音。 Sonny Rollins(Ts),Ray Brown(b),Shelly Manne(Ds)
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2006年09月26日

「Please Send Me Someone to Love」 Phineas Newborn Jr. Trio

PhineasNewborn1.JPG

 書きたいことが沢山あって、ついレコード紹介をサボってしまった。
 今回は、フィニアス・ニューボーンというピアニスト。以前紹介したジュニア・マンスと同じようにブルースが得意だが、マンスの音色をもう少し明るくして、シングル・トーンよりもブロック・コードによる奏法を多く使う。オスカー・ピーターソンに近い部分もあるが、これは二人ともアート・テイタムの影響を受けているという共通点があるからかも知れない。
 このアルバムはフィニアスにとっても、ベストといえる作品だろう。この録音以降、10年間はほとんど活動をしなかったらしいから貴重ともいえる。またこれには8曲が収録されているが、実は2日間に亘って15曲録音され、残りの7曲は後年、違うレーベルから、タイトル「Harlem Blues」として発売されている。こちらも、もし手に入るのであればお奨めだ。

PhineasNewborn2.JPG こちらが「Harlem Blues」

 共演メンバーは、私の好きなレイ・ブラウンとエルビン・ジョーンズ。本当にレイのベースは素晴らしい。

 LP盤。1969年録音。Phineas Newborn Jr.(P),Ray Brown(B),Elvin Jones(Ds)
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2006年09月07日

「BETWEEN THE SHEETS」 FOURPLAY

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 ゴリゴりの4ビートジャズもいいが、時々、耳触りの良いフュージョンも聴きたくなることがある。そのような欲求に沿う、正にピッタリのアルバムがこれだ。
 フュージョンといっても、ジャズのエッセンスが一杯つまっているし各プレーヤーの質が高いこともあって、そのサウンドは濃密だ。
 私は、ベースといったらウッド・ベースが好きなのだが、エレキ・ベースにも好きな人がいる。このアルバムに参加しているネーザン・イーストもその1人だ。色々なエフェクターを使い分けているのだろうが、太くて甘く、その音には腰があって、優しい音色だ。音に色気があるなあと感じる。テクニック的には、マーカス・ミラーが上なのだろうが、しかし、メカニックなフレーズばかり並べられるよりも、イーストのように気持ちの入った、押し付けがましくないプレイの方が私は好きだ。
 是非聴いて欲しいのは、「Li'l Darlin'」という曲だ。古い曲だし、かつてカウント・ベーシー楽団の18番だったから、年配の方だとご存知の方も多いと思う。これを今風に、実に洒落た洗練されたアレンジで演奏している。フュージョンなんて・・・という方にお奨めです。録音も秀逸。

 CD盤。1993年録音。 Bob James(Arr/Key),Lee Ritenour(Gt),Nathan East(B),Harvey Mason(ds)
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2006年08月29日

「GEORGES ARVANITAS TRIO IN CONCERT」 GEORGES ARVANITAS TRIO

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 このレコードはほとんどレア盤に近いと思う。
 ジョルジュ・アルバニタと聞いて、すぐ分かる人は、ジャズマニアでも恐らくほとんどいないのではと思う。勿論、私もこの盤を手にするまでは、全く知らなかった。30年以上も昔、当時、某放送局に勤めていた大学の後輩から、「ちょっと面白いレコードが送られてきたので、聴いてくれませんか?」と手渡された。彼は、いわゆる業界人間だけに、毎月何十枚と色々なレコード会社から見本盤、或いは試聴盤が送られてきており、これもその一枚だった。
 ジャケットを見ると、全く聞いた事もない名前。解説を読んでみると、1931年生まれのフランス出身のピアニスト。パリでのハウスピアニストとして、かなり卓越した才能を持っていたらしい。アメリカからヨーロッパにやって来たジャズメン達(例えば、デクスター・ゴードン、ジョニー・グリフィン、ソニー・クリス、ドナルド・バードといった面々)とも相当数共演したらしいから、それだけ実力を認められていたのだろう。
 見本盤といっても、商品盤と全く同じで、全曲完全に収録されている。ライブ演奏の模様を録音したものだが、針を落として聴き始めると、段々惹きこまれていった。デリケイトなタッチ、新しい感覚のハーモニー・センス、モード手法を使ったアドリブと、言ってみれば、新主流派的なピアニストだと感じた。一曲がほとんど10分を超える長い演奏が多いのだが、一気に全曲を聴いてしまった。
 その後、しばらくしてから発売されたが、残念ながら余り注目されず、売れたと言う話も聞かなかった。しかし、私には良いアルバムと言う印象が残った。大分経った後年、彼のその後の作品が何枚か発売されていたのをレコード屋で見つけ、まとめて3、4枚買い込んだ。最初に聴いたアルバム以上の出来を期待した。だが、どれも期待はずれでがっかりした。
 私の独断で言えば、この人の最高傑作は本デビュー・アルバムということになる。CD盤が出されたかどうかは分からないが、もし、アルバニタの名前を見かけたら、この作品のみをお勧めします。

 LP盤。1969-1970録音。 Georges Arvanitas(P),Jacky Samson(B),Charles Saudrais(Ds)
posted by Boo! at 23:11| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | JAZZはいかが? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする